不登校は治せる! 【動画⑥いよいよ足し算へ】
*****本動画の概要*****
・食欲がない場合、最初は薬で食欲を回復させることはやむを得ない。
・食欲が回復したら、タンパク質・脂質の摂取とサプリメントの利用を。
・コルチゾールの日内リズムを思い出す。朝8時にはなんとか身体を起こして服薬を。ここが一番しんどいところ。
○引き算を十分にした後でいよいよ、なにをどう摂るべきか、足し算の治療に入ります。
○食欲がない、吐き気がする、朝どうしても起きられない、頭痛がひどい、などの症状がある方については、まずはコルチゾールの不足に基づくと思われるそれらの症状を緩和するため、コートリル®という薬を服用してもらいます。これは人工合成されて経口摂取できるようになったコルチゾールそのものだと考えてください。最初の用量は10mg錠を朝3錠とすることが多いです。
○また、不安感が強い、パニック発作を起こす、夜全く眠れない、などの症状がある場合には同様に、抗うつ剤を用います。僕自身はセルトラリン®という薬を使い慣れているのですが、どの抗うつ剤を使うのかという点については、かかりつけの先生と相談頂きたいと思います。セルトラリンであれば、25mg錠を夕1錠で開始です。
○特に子供さんに関して、こうした薬剤を用いるのはいかがなものか、という議論は当然にあると思います。もちろん、必要がなくなったらなるべく早く、これらの薬剤からは離脱を図ります。初診時の症状の程度に依りますが、コートリルは数ヶ月から1年程度、しっかりと続ける方がいいと感じています。この期間は、視床下部・下垂体へのNegative Feedbackが十分にとれて、自律的なコルチゾール分泌が回復するまでに要する期間だと考えています。
○食欲が回復し始めるのは、コートリルを開始してから数週間後のことが多いです。食事が摂れるようになったら、なにを摂るのか、はとても重要です。糖質の摂取は控えめにして、タンパク質と脂質を徐々に増やしていきましょう。
○食卓でいえば、お米やパン、麺類などの主食の摂取を控えめにして、肉・魚・卵・豆腐・納豆などのおかずの摂取量を増やす、ということになります。先に述べたように、これらは急にたくさん食べられるわけではありません。質的栄養失調状態にある方は、体内の消化酵素の量が足りないからです。
○タンパク質と脂質をバランス良く含む食品といえば卵です。卵黄はリン脂質やコレステロールなどの脂質、卵白はタンパク質であり、非常に栄養のバランスの良い食品です。タンパク質が十分に摂取できているか否かについては、卵の摂取量が1つの目安になります。今、1日1個摂取している人はまずは1日2個にできないか。1日2個の人は1日3個になんとか増やせないか。1日3個が難なく食べられるようになる頃には、全体的な状況はかなり改善しているはずです。
○食事が摂れるようになってきたら並行して、サプリメントを準備しましょう。摂ってもらう栄養素は4つ。鉄、マグネシウム、ビタミンB群、ナイアシン、です。マルチビタミンなど、1錠摂れば全て入っています、というような簡易な製品もありますが、最初は1つ1つの成分だけを含むものを4種類、選んでください。含まれている栄養素の量が全く違うからです。
○サプリメントはドラッグストアにたくさん市販されていますが、原材料や製法にこだわった、サプリメント専門メーカーのものを最初はお勧めします。そういったメーカーと契約しているクリニックを通じて購入することが出来ます。あるいは、iHerbなどのサイトを通じて、外国のサプリメントを個人輸入するという手段もあります。国民皆保険制度がない海外の国々ではサプリメントが普及しており、価格がこなれていること、含まれる栄養素の量がとても多いこと、などの利点があります。
○鉄、マグネシウム、ビタミンB群、ナイアシン、は体内で起こる酵素反応における重要な補酵素であり、
○エネルギー産生効率を高め、神経伝達物質の合成を促す働きがあります。先にご紹介したように、個人差を凌駕して確率的親和力を高めるため、大量を摂取する必要があります。
○参考までに、当クリニックでお勧めしているサプリメントの摂取量をお示しします。最初は少量から開始し、徐々にこの量まで増やしてください。特に鉄に関しては、腸内環境に依りますが、便秘や下痢などをきたす場合もありますので要注意です。
○そういった症状を来してしまった場合には、投与間隔を伸ばす、食物線維パウダーでまずは腸内環境の改善を図る、ラクトフェリンのサプリメントを併用する、などの対応をお勧めします。
○これも先にご紹介したように、コルチゾールの分泌には明瞭な日内変動があります。多くの人は生活リズムがこのコルチゾールのリズムとずれてしまっていますが、えいやっと頑張って、このリズムはなんとか元に戻す必要があります。
○朝は8時には起きて、身体を起こし、午前中にはなんらかの活動をするということです。処方されたコートリル®を、10時や11時に服用していては意味がありません。生活リズムを元に戻すことを、多くの方が辛いと感じるようですが、ここは超えなければいけない壁です。
○眠りの質を改善するため、夜は早めに入浴を済ませ、21時以降はスマートフォンなどの電子機器類の使用を避けましょう。日中、できれば午前中に日光を浴びて、身体を動かす。最初はストレッチだけでも構いません。動けるようになってきたら、軽くても筋トレを併用できると、睡眠の質はぐっと高まります。

