2023.08.03
栄養療法

妊娠を望んでいます

 30代の女性。

 妊活中であるがこれまでに2度、ART(生殖補助医療技術)を試みてうまくいかず。「調べてみたら栄養の不足がその原因ではないかと思うようになりました」と当クリニックの栄養療法外来を受診された。

 普通に働いておられるとのことだったが、血液検査をしてみるとタンパク質の摂取も、鉄も亜鉛もVit.Dも不足という結果。特に鉄とVit.Dについては“欠乏”レベルの不足であって、着床や妊娠の維持に関与している可能性がある。

 そのことを説明し、食事内容の改善を前提に、特に足りないものについてはサプリメントで補充を検討してみてはどうかと話し合った。

 有経期の女性は皆、程度の違いはあれ鉄不足である。鉄の不足程度は必ずしも顕れる症状と相関しないと感じられることもあるが、積極的に補充してみて始めて、「疲れにくくなった」「風邪を引かなくなった」などと、不足に伴っていた症状を自覚できることがある。

 Vit.Dについては近年、妊孕性との関連が続々と明らかになってきている。日焼け止めクリームを塗りまくったり、海産物の摂取が少ないと、こうした若い女性でも欠乏していることがあり、そのことが妊娠しにくいことに繋がっているのかもしれない。

 ARTは不妊に悩む女性の福音となり得る素晴らしい技術ではあるが、こうした母体側の要因によって妊娠に至っていないのだとすれば、まずは栄養を整えた上で試みるべきである。

 同じ話は実は男性にも当てはまる。造精能や精子の活動性にこれら栄養素が関与していると言われており、同様の食事の取り組みと補充をお勧めした。

※栄養療法は自費診療です。

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