2022.09.12
在宅医療

高齢者の低ナトリウム血症 SIADHとMRHEの鑑別

SIADH(Syndrome of Inapropriate ADH secretion)
MRHE(Mineralcorticoid Responsive Hyponatremia of the Elderly;老人性鉱質コルチコイド反応性低Na血症)

この両者は似て非なる病態.
SIADHは診断の除外項目として,「脱水,浮腫をいずれも認めないこと」と明記されている.
臨床的に,特にLabo Data上はSIADHと酷似しているが,高齢者で脱水を伴っている場合,MRHEである可能性がある.

SIADHは体液量正常(~やや溢水気味)であり水分制限が治療の中核となるのに対し,
MRHEは体液量減少が基本であり,水分制限は病態を悪化させることになるため,両者の鑑別は重要.

MRHEの病態生理として,
①加齢に伴う腎でのNa保持能の低下(=レニン分泌能の低下 and/or 尿細管のアルドステロンに対する反応低下,すなわちR-A-A系賦活能の低下)
②高齢者では若年者に比し,血漿浸透圧の上昇に対するADH分泌が明らかに過剰であること.
が想定されている.

SIADHの治療は水分制限+Lasix、必要に応じNa補充。
MRHEの治療にはフロリネフ®を用いる.
0.05mg/dayまたはその半量を長期間用いていくのが基本.
十分な効果発現まで1~2週間を要する.

症例報告、
(1)湯澤ら:高齢者に見られる鉱質コルチコイド反応性低ナトリウム血症(MRHE)の一例.ホルモンと臨床Vol.56 Supple:29-32,2008
が,とてもよくまとまっていて勉強になりました.

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