将棋は逆転のゲーム
人間は迷う。疑心暗鬼にとらわれる。
優勢を意識すると、波風立てず安全に勝ちたいという気持ちになる。
しかしそこに付けいる隙が生じる。
そうした弱い心をいかに克服するか。
それが将棋の練習においては大きなウェイトを占める。
自玉の安全を最優先に考えることができているか。
一方で、臆さずに最後の一手までしっかりと踏み込めるか。
このような水面下の駆け引きは人ならではのものであり、AIの将棋が感動を生まないのはこのような克己が感じられないから。
つまり将棋が面白いのは、人間対人間の尽きない修行を見ているからなのである。