いいお歳なのですから
25年の医師、15年の在宅医療の経験から。
僕が普段ご高齢の方々にお伝えしていること。
血圧値、血糖値、コレステロール値、尿酸値、等々。
これらのリスク因子を早期に発見してしっかりと管理せねばならないのは、40-50歳代の若い人。
ン十年の生命予後が見込めない高齢者は、今日、明日を生き生きと楽しく生活することが最優先。
予防のために服用したクスリで食欲が落ちたり、転倒して骨折したりするようでは、本末転倒。
《服薬と転倒の関係》
また、高齢者にも若い人と同様に「肥満はいけない」と指導する傾向があるが、高齢者は基本的に食べることを控える必要はないと思う。
要介護リスクは、スリムな体型よりも小太りの方が減少するとのデータもある。
《大崎コホート》
定期健康診断はどこまで必要か?
ご高齢の方に対して、取るに足らないようなリスクをわざわざ指摘して、治療の俎上に載せる必要が本当にあるのか?
リスクを過大評価して無理矢理に医療に結びつけようとするものならば要らない。
予防接種も、本当に有効で安全なのかをよく考えて。
総じて。本来、医療は疾病の急性期のためのもの。
過剰な予防は却って良くないこともある。
受診もクスリも、なるべく減らしましょう。
自分から好んで医療に近づいていかないことが大事。